ふなはこ。  福岡で相方と見つけた美味しいもの、をかしきこと。
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原研哉講演会。
福岡市デザイン啓発セミナー『感性価値の創造』vol.2
『日本のデザインの原像』を聴きに行きました。
(3月13日@福岡市立中央市民センター)
090325.jpg

原さんはグラフィックを基本とした
著名なコミュニケーションデザイナー。
著書『デザインのデザイン』を読んだことがあり、
ぜひとも直接会って、肉声を聞きたくて。

内容はバウハウス以降のいわゆるデザインではなく、
日本の古代史と絡めつつ、日本の感性の源を探るもの。

舌足らずながら要約すると(一部、レジュメ転載)…

20世紀後半以降、スタイリングなどど同義とされ、
デザインの価値は低下した。
しかし、デザインは人間の知恵にふれる行為である。
デザインが木になる実だとすれば、
その木や土壌が良くなければ良い実はならない。
その土壌は生活者のニーズ(欲望)であると言えるが、
欲望を優先しすぎると不格好な実がなる。
それはイコール文化、だから
“欲望のエデュケーション”が必要ではないか。

つまり欲望の水準が文化を形成する。
文化の本質はローカリティにあり、
個別性、オリジナリティこそは文化の本質である。
しかし、文化は方言にとどまってはいけないし、
世界に寄与するべき。
翻訳して、グローバルの文脈に乗せなければ、
そのために、日本がデザインが機能すれば…。

日本人は古来より自然と神を一体化し、畏れてきた。
その神を呼び込むために作られたのが代(しろ)。
神が来る“かもしれない”空っぽの器。
満ちる可能性に手を合わせる行為が日本の宗教の起源。

例えば神社は空っぽ(エンプティネス)の組み合わせ。
そこに神も自分の気持ちも入れることで
自然(神)とのコミュニケーションを図った。
それこそが人間の知恵。

(エンプティネスを“空”と訳すと宗教的な意味合いを
 帯びるため、あえてエンプティネスを使っているそう)

エンプティネスは日本人のコミュニケーションの礎でもある。
Shannon-Weaverモデルのようなまどろっこしい伝達ではなく、
目と目で通じ合う「阿吽の呼吸」であったり、
固有名詞を使わず、曖昧に、でも自明のこととして共有したり。

日本の国旗もエンプティネスである。
シンボル自体に意味はなく、
意味は後から付けられるもの。
あらゆる思いを受け止め、求心力を持って
機能している。

エンプティネスはシンプルとは違う。
シンプルの歴史はここ150年。
権力の標章として複雑さを極めていたデコラティブな文化。
しかし市民革命が起こり、複雑が無意味になると、
合理化やモダンといった動きを受け、文化はシンプルへ移行した。

一方、日本のエンプティネスが文化として花開くのは
室町末期。応仁の乱の直後。
豪華絢爛な大陸の影響を受けた文化が焼けてなくなり、
新しい日本の感受性が芽生えてくる。
茶の湯だったり、銀閣寺だったり。
日本の美意識は西洋の“シンプル”より早くから在り、
そのルーツも異なる。

日本の文化の背景にある「エンプティネス」、
それに基づく美意識やホスピタリティは、
もっと世界で機能されうるべきである…。(続く)

…そういったことをご自身が手がけた『無印良品』や
伊勢神宮の遷宮などを例にお話されました。
例えがまた具体的で分かりやすく、
難しいテーマでもフッと身近に感じることができました。

あたしたち日本人は古来からエンプティネスを
受け継いでいる。
ひとひらの花びらからイメージを拡げたり、
シンボリックなものに個々人の思いを託したり、
さらには子どもの頃の宝物箱やタイムカプセルの思い出…。

吉本隆明が表現の根と幹は「沈黙」であると
言ったことにも通ずるような。

あたし個人としては、ずっと以前から
何かをするなら名前を『ふなはこ』と決めていて、
(デスクトップのフォルダ名としても使っている)
それは“はこ”へのこだわりがあったから。
自分も他人もモノもコトも思いも
全てを受け止めてくれそうな場を持ちたかったから。
そんな漠然とした思いが講演を聞くうちに
わずかだけどクリアになった気がしました。

それにしても、
人の話をこんなに夢中で聞いたのは久しぶりでした。
穏やかな方で、センシティブ且つ理論的に語る感じは、
デザイン論を抜きにしても、学ぶべきことが多いと感じました。

まだまだ原さんの言葉を追うばかりで
頭の咀嚼を終えていないのですが、備忘録として。
原さん、ありがとうございました。

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2009'03'25(Wed)[ <をかし:祭り・イベント> ] CM0. TB0 . TOP▲
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